志望業界:化粧品、日用品、ビール、不動産、小売など インターンシップ参加:4社(化粧品2社、コンビニエンスストア2社) 説明会参加:約45社(うち合同企業説明会5回) 先輩訪問:4人(百貨店1人、不動産1人、化粧品1人、印刷1人) エントリーシート提出:32社 面接:14社 内定:2社(化粧品1社、コンビニエンスストア1社) 活動費用:約14万5000円(交通費7万円、洋服代6万円、書籍代3000円、証明写真1万円、郵送代2000円) 就活中はアルバイトをしていなかったので、貯金と親から借りたお金でやりくりした。
インターンシップでわかった、会社ごとのカラーの違い
化粧品やお酒、食品など日々の生活に彩りを添えることのできるアイテムに魅力を感じ、高校時代から化粧品をはじめとした消費財メーカーで働ければと考えていました。
そこで、業界のことを詳しく知るために、大学3年の5月からインターンシップの情報収集を開始。夏に化粧品メーカー2社のインターンシップに参加しました。それぞれ、商品の企画や販促プランを考えたり、販促物の効果測定方法を検討したりする内容だったので、文系の総合職の仕事について具体的に知ることができました。
秋にはさらにコンビニエンスストア2社のインターンシップに参加。計4社を見て感じたのは、会社によってカラーがまったく異なるということです。
例えば、仕事の進め方なら、綿密な計画を立てて慎重に進める会社がある一方で、インターンシップで出た学生のアイデアをすぐに商品の一部に反映するなど、スピーディーかつ柔軟に進める会社もありました。また、人の雰囲気も、若手からベテランまでアットホームに盛り上がる会社があれば、個人を尊重し、互いに干渉しすぎない関係の会社もありました。
こうして特徴の異なる企業を複数見たことで、自分はどちらかというと個人ではなく皆で何かを成し遂げていく環境に魅力を感じていることにも気づき、この後、応募企業を選ぶ時の判断材料の一つにもなりました。
「消費財」を軸に、関連する業界をインターンシップや説明会で見て、志望度を判断
消費財メーカーの中で最も行きたいと思っていたのは化粧品メーカーだったのですが、消費財メーカーだけに絞って応募すると選択肢の数が限られます。それに、幅広い業種・企業について知った上で本当にやりたいことや「本当に化粧品や消費財の企画に携わりたいのか」ということを見極めたいと思っていたので、「消費財」から派生する業界についても調べることにしました。具体的には、パッケージや販促物を作る印刷業界や、販売を担うコンビニエンスストア、店舗や商業施設を開発するデベロッパーなどです。
1月〜2月はまだ説明会が活発に開かれる時期ではなかったので、メーカーも含めて、身近に商品や店舗がある企業はそれらを見て企業のイメージをなんとなく把握するようにしました。一方、デベロッパーのようになかなか商品やサービスからは企業のことがわかりにくい業種は、1月〜2月に早めに開かれていた合同企業説明会に参加して詳しく話を聞くようにしていました。もちろん、興味のあるメーカーが来ていれば話を聞きました。
こうして、「知っている業界」を広げていく作業を進め、2月末までにプレエントリーする企業を80社リストアップ。3月に入るとすぐにプレエントリーし、引き続き合同企業説明会や学内説明会、個社説明会で情報収集しながら、志望度やエントリーシートを提出する企業の優先順位を検討しました。
説明会や選考を通して企業を見る時に重視していたのは、自分にとって「いいな」と思える人がいるかどうかです。「人の良さ」や「風通しの良さ」をアピールする企業は多いですが、どちらも、その判断基準は人によって異なります。どれだけ企業側がアピールしても、自分が「いいな」と感じられるかを意識して見ていました。
そうしていろんな企業の話を聞いていくうちに、「こんな社会人になりたい」と思えるような、尊敬できる人がたくさんいる企業に魅力を感じていることに気づきました。具体的にそう感じたのは、思いやりの精神を持っている人たちが多い企業です。相手が学生であっても、丁寧な声かけやメールへの返信など、思いやりを持って接してくれる人や会社にひかれ、志望度が高まりました。
最終的には、インターンシップにも参加し、化粧品メーカーの中で最も志望度の高かった企業に入社することに。選考が残っていたビールメーカーやデベロッパーとも迷いましたが、自分が何に一番ときめくのかあらためて考えると、ビールよりも商業施設よりも化粧品で、好きなブランドがたくさんある内定先でなら、企画であっても営業であっても、自社製品に愛情を持って働き続けることができると思い、選考中の企業はすべて辞退し、入社を決めました。
就職活動で大変だったこと・学んだこと
一番大変だったのは、3月〜4月のスケジュール管理です。説明会やエントリーシート提出、面接などが複数の企業で同時進行で進み、日によっては、1日に3社分のエントリーシート締め切りやWebテストの受検締め切りがある日もあります。そんな忙しさなので、先の予定を見据えて時間管理をしないと「優先度の高い企業のエントリーシートが締め切りに間に合わなかった」なんてことになりかねません。
私の場合、「どんな仕事をしたいのか」「どんな会社がいいのか」といったことは2月末までに考えて、プレエントリーする企業もリストアップしておきました。また、3月以降は、エントリーシートの締切を表計算ソフトに日付順に記入し、優先度でセルを色分けして抜け・漏れがないように管理していました。
3月からはバタバタなので、できる準備は2月末までにやっておくことがお勧めです。特に、「どんな仕事をしたいのか」「どんな会社で働きたいのか」ということは、3月よりも前に考えておくのがよいと思いました。
就活スケジュール
インターンシップの情報を集め始める
5月に一度、インターンシップの合同企業説明会に参加し、6月からは就活準備サイトなどを使って参加できそうな企業を調べた。
4社のインターンシップに参加
化粧品メーカー2社はそれぞれ5日間と1カ月(週3日)、コンビニエンスストア2社はそれぞれ1日と2日のプログラムだった。
合同企業説明会に参加
1回に4〜5社の話を聞いて、2月末までにプレエントリーする企業を80社リストアップした。
プレエントリー開始
プレエントリー後、説明会への参加やエントリーシート提出が同時進行で進んだ。3月に面接が始まった企業もあり、うち1社(コンビニエンスストア)に4月半ばに内々定。同業他社の選考は辞退し、より志望度の高い他業種の選考に注力した。
化粧品メーカーに内々定。就活を終える。
6月頭に化粧品メーカーの中で最も志望度が高かった企業に内々定。他社の選考はすべて辞退し、就活を終えた。
インターンシップ参加時のファッション
化粧品メーカーに「オフィスカジュアルで」と指定された時のもの。この日は落ち着いた色の服にしたが、メイクは明るい色の口紅やアイシャドウを取り入れて、抑えることなく個性を出した。選考の時点で「今日のファッションとメイクのポイントは?」と聞かれたくらいの会社だったので、周りの学生も、メイクから髪、アクセサリーまで、かなり気合いが入っていた。
取材・文/浅田夕香 撮影/鈴木慶子