第一志望の企業や業界を目指し就活を進めていたのに、全落ちして内定がない…。こうした悩みを抱え、リクナビ就職エージェントに訪れる就活生がいます。Aさんもその一人。周りが内定をもらっていればなお焦りますし、第一志望であるが故に、ショックも大きいことでしょう。6月末時点で内定がゼロ…と絶望しているAさんに、学生の個性や強みを生かした就職活動を提案するリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーがアドバイスします。
「第一志望の業界で応募した企業すべてに落ちました。ショックで次が考えられません」
Aさん 大好きな化粧品業界を第一志望として就活を始めましたが、志望していた企業すべてに落ち、6月末時点で内定ゼロです。選考が続いている企業もないし、本命以外のエントリーも気が進みません…。
キャリアアドバイザー 化粧品業界を希望されているんですね。
Aさん はい、どうせ仕事するなら好きなことを軸にするしかないと思って、化粧品業界しか考えずに活動してきましたが、全部落ちてしまって…。選考に進んでいる企業もゼロで6月末を迎えてしまいました。友達や家族と話しても慰められるか落ち込むかで、状況を変えられないので、思い切ってプロに相談しようと思いました。自分のどこがいけなかったのか、これからでも就活はできるのか、知りたいです。
キャリアアドバイザー 募集している企業はまだまだたくさんありますから、安心してください。
Aさん こんな私でも、この先、「行ってもいいな」と思える企業の内定をもらえるでしょうか。この前、仲良しの友人2人が大学のキャリアセンターに内定報告するというので一緒に行って、マジ心が折れそうになりました。でもだからって、どこでもいいや、となるのだけは嫌なんです…。
キャリアアドバイザー それはつらかったですね。でも、どこでもいい、なんてやけになる必要はありません。自分で納得できる企業も、まだまだ間に合います。こちらでご紹介することもできますので安心してくださいね。
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第一志望以外でも納得して入社できる企業を探すため「好きなこと」を深掘りしよう
まずやるべきことは、これまでの自分の“棚卸し”です。自分にはどんな資質があるか、企業にPRできることは何か。これまでの経験から、よくできたこと、褒められたこと、できなかったことを洗い出してみましょう。こうした“自分を俯瞰する作業”は、私たちのような、ちょっと先輩で客観的な第三者の専門家と一緒に行うと、冷静になれて核心がみえてきやすいんですよ。
Aさん そうなんですね。
キャリアアドバイザー 化粧品の何が好きか、を整理してみましょう。きっかけは何かありましたか?
Aさん 高校生のころメイクやデザインに興味をもつようになったのが最初でした。大学も迷うことなく「化粧品のゼミ」がある大学・学部を選びました。そのころから、いつか化粧品メーカーで働きたいと思っていましたが、決定的だったのは、やはりそのゼミでの体験でした。
キャリアアドバイザー どのような体験だったのでしょう?
Aさん ゼミでは、ある化粧品会社と連携したプログラムを採用していて、実際にそのメーカーの商品のマーケティングや商品開発を体験することができたのです。すごく面白くて、ますます、将来はこの大好きな仕事をしようと決めました(笑)。
キャリアアドバイザー 好きなことを仕事にしたいという自分の気持ちがよくわかったわけですね。周囲の、たとえば担当教授の評価はどんな内容でしたか。
Aさん 教授の評価も高かったと思います(笑)。
キャリアアドバイザー それは素晴らしい(笑)。特にポイントが高かったのは何だったか、思い出せますか?高校のころに目覚めたメイクやデザインの分野でしたか。
Aさん ・・・いえ、むしろ、お客さまの目線でニーズを深堀することに長(た)けていると言われて、高い評価を頂きました。そこは自分でもちょっと意外でしたね。
キャリアアドバイザー それは、Aさんに、マーケティング能力、市場や顧客を分析するセンスがあると評価されたのですね。でも、Aさんは「化粧品が好き」にまっしぐらですから(笑)、化粧品以外には考えなかったのではありませんか。
Aさん 「好きなことを仕事にしたい」と決めていましたから、化粧品以外を考えることは必要とも思いませんでした。そもそも「好き」を仕事にしたいと思うことは間違っていたのでしょうか?
企業が採用で重視するのは「何ができるか」。「好き」だけでは難しいことも
キャリアアドバイザー そんなことはありません。けれども、内定に至らなかった背景には、Aさんの「好き」という思いと企業の選考との間にどこかミス・マッチがあったと考えるのが自然かもしれませんね。「好き」という情熱は就活を進める必要条件にはなり得ても、十分条件ではないんです。
多くの企業が、過去に「『好き』で入社した社員が、早々と『仕事が合わない』と辞めていった」という経験をしています。厳しい状況の中で生き残っていかなければならない企業にとっては、採用においては「好き」以上に「何ができるか」を重視して選考します。
「この学生は将来わが社で活躍してくれる資質の持ち主かどうか」。Aさんはどんなことが得意か、何ができるか、どんなふうに活躍してくれるか……、わかりやすく言うと、そんなふうに見られているのです。その答えをAさんは与えられたのでしょうか。
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就活中は、「柔軟な適応力」が大事
Aさん そういう視点からは満足のいくことは言えてなかった気がします。
私が就活の準備をはじめたのは3年の夏のインターンシップでした。化粧品メーカー3社に参加したのですが、3社ともすごく手応えがあって、正直、これで本番も大丈夫、と思いました。
キャリアアドバイザー 3月以降は、企業によってはインターンシップからの早期選考会があります。こちらはいかがでしたか。
Aさん 自分では、インターンシップで手応えがあったと思ったのですが、結局、呼んでもらえなくて。ショックでした。実は、ここでやっと焦りました。Uターンも考えて、出身地の地銀も考えましたが、どうしても、本命以外の企業にエントリーする気になれなくて。
キャリアアドバイザー 特定の業種や企業にこだわるほど、想定外の事態になると、焦りが出やすいんですね。うまくいかないときの切り替え、立ち直りは大事です。自分のこだわりや情熱を大事にしながらも、柔軟な適応力、というものがどんな仕事にも重要で、選考ではそうした資質も見られるのではないかと思います。
第一志望に落ちたときは気づかなかった「強み」に目を向けるには?
キャリアアドバイザー Aさんの場合は、「好き」と「できる」を重ね合わせていくことで、その資質をPRできると思います。「好き」は、化粧品に固執しない「商品をとことん好きになれる」能力。「できる」は、マーケティング能力、顧客分析力です。
Aさん 確かに、お客さまのことを考える、ということはできる気がします。なんだか自分に幅ができて、少し大きくなった気がしてきました(笑)。
キャリアアドバイザー 「好き」とばかり思い詰めてきた心に余裕ができて、もともとの自分が見えてきたんです。化粧品だけでなく、ほかにも好きで興味のあるものはありませんか?
Aさん そうですね、雑貨や日用品や……、好きなものはありますね。「好き」の角度を広げていけば、なにか自分にマッチする業界がありそうな気がしてきました。
キャリアアドバイザー よかったです。活躍できそうな世界が広がってきましたよね。どうでしょう、ほかの業界も見てみたくなりませんか?(笑)
Aさん ほんとですね。目の前が明るくなってきました。
キャリアアドバイザー もともと暗くはないのに、自分で暗くしたんですね(笑)。さあ、次に進みましょう。
Aさん どうもありがとうございました!
その後…
Aさんはその後、キャリアアドバイザーが紹介した日用品メーカーのマーケティング職に応募し、無事、内定を得ました。
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