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リース会社内定 立教大学 駒野智大(ともひろ)さん

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就活データ
志望業界
:メーカー 説明会参加:25社(うち合同企業説明会5回) 先輩訪問:0人 エントリーシート提出:30社 面接:20社 内定:1社 活動費用:約19万8000円(交通費3万円、スーツ・靴・カバンなど5万円、外食費3万円、書籍代2万円、証明写真5000円、就活セミナー代6万円、郵送代など雑費3000円。通学定期圏内が都内広域に及んでいたおかげで、交通費は思ったほどかからなかった。説明会や面接の予定を詰めていたので出先でゆっくりと昼食を取らないことが多く、結果的に外食費が抑えられた)

会社説明会は数を回り、比較対象を増やす意識を

就活を意識し始めたのは、大学3年になったころから。将来どんな仕事がしたいのか、ぼんやりと思い描くように。形のない情報などを扱う仕事よりも、形として残るものに携わっていたいという思いから、漠然とメーカーを中心に見ていこうかな…と考えていました。

 

具体的に就活準備に動き出したのは、大学3年の8月からです。1日だけの短いインターンシップに2社、2週間のインターンシップに1社参加。1日の方は基本的に会社の説明がメインで、その後の時間でグループワークを行いました。ワーク後に「話し方は柔らかくて好印象だけど、もっと声を張った方がいい」など、社員の方から直接アドバイスを頂けたことは、とてもありがたかったです。

 

2週間の方はオフィス家具メーカーのインターンシップで、朝から支店に定時出社し、毎日違う営業の方に1日同行して、業務内容を間近で見学。取引先との商談にも同伴させてもらったのですが、思ったよりもお互いラフな感じで話をしていて、「あまり気をつかいすぎて固くなるのもよくないんだ」と気づくことができました。一方で、応接室に通されるまでにオフィスの様子を一目見て「どんな家具をどんな配置で使っているのか」を把握し、商談に生かしていくさまなどは、想像以上にプロフェッショナルだなと実感。このように、ホームページの情報や説明会に参加しただけではわからないことをたくさん知ることができたので、インターンシップに参加して本当に良かったなと思っています。

 

インターンシップの経験から、会社選びはメーカーの営業を中心に見ていきました。ただ、実際に会社説明会などに足を運んで話を聞いていると、どんな仕事にもやりがいがありそうだと感じられて、なかなか絞ることができず…。迷った結果、少しでも気になったところはすべて選考を受けていこうと決意。仕事の適性や会社との相性は、自分よりも人を見るプロである人事の方の判断が正しいと思ったんですね。なので、「自分が選ぶより相手に選ばれることを大事にしよう」というスタンスで、エントリー数を増やしていきました。

 

会社説明会はとにかく数を回ろうと意識し、スケジュール帳を見ながら空いている時間を穴埋めしていくように予定を入れていきました。社員の方や来ている学生の雰囲気などは、比較対象がなければつかむことができません。ある会社の良さを説明するには、同業他社と比較することでより正確に言葉にできるようになるはずです。説明会に参加した企業に関してはそれもご縁だと思い、なるべくエントリーシートを提出するように心がけていました。

 

初めて面接を受けたのは3年の1月です。具体的な面接対策などをまったくせずに臨んだため、今思うとまったく上手に話せていなかったのですが、なぜか1次面接は7割ほど通過できました。この結果を受けて僕は「このまま受け続けていれば、きっとどこかから内定を頂けるはず」と安心してしまったんですね。この時点でもっと自分の現状に焦りを感じて、面接の練習を重ねていれば…と少し反省しています。

 

受けていた企業が全滅…。「卒業間際まで就活を続けよう」と決意を新たに

2月以降の就活は、僕にとって過酷な試練でした。最初は調子の良かった面接が思うように進まなくなり、3月末には第1志望だったメーカーの面接も落ちてしまって…。インターンシップにも参加していて、面接担当者とのやり取りも盛り上がったので、本音を言うとまさか落ちるとは思っていなかったんです。このショックを引きずってしまって、大学4年の4月に受けた面接はすべて1次面接で落とされてしまい、4月半ばには受ける企業がなくなってしまいました。

 

このときは、心底落ちこみました。「自分は将来どうしたらいいのか」「自分は必要とされない人間なんじゃないのか」と不安ばかりが募って、とてもつらかったです。ただ、「このままじゃダメだ」という思いは、どんなにへこんでも消えませんでした。「ダメなまま立ち止まったらいけない!」と自分を鼓舞して、卒業間際まで就活を続ける決意を新たにし、一からエントリーする企業の検討を始めました。

 

それから面接を受けるまでに、今までの面接の反省を徹底的に洗い出しました。1回の発言が長くなってしまっていたのは、質問が想定できていなくて回答がまとまっていなかったから。自己PRの反応が悪かったのは、自分の本来の持ち味とは違う部分を主張していたから…と、一つひとつ自分でダメだと思ったシーンを思い返し、それに対する原因を特定して改善を試みました。

 

自分の中でも大きく変革をしたのが、自己PRについてです。それまでの面接では「向上心がある、チャレンジ精神がある」といった面を押し出していたんですが、実はどこかで違和感を覚えていたんですよね。本当は「真面目」という性格が自分の中で一番のアピールポイントだと感じていたのですが、「真面目なのって当たり前のことじゃないか」という気がしていたり、就活セミナーで「真面目ってアピールは融通が利かないと思われるよ」と指摘されたこともあって、正直に話すことをためらっていたんです。

 

4月後半からの面接ではその点を見直して、堂々と「僕の長所は真面目さです」と伝えるように。大学のサークルでの経験をベースにしながら「真面目なので、一度始めたことでは結果を出すまであきらめません」とアピールしました。とても話しやすくなりましたし、自分でもしっかりと気持ちが言葉に乗っているなと実感。その後の面接は、それまでの不調がウソだったかのように、ほとんど落ちることはなくなりました。

 

金融業界自体にそれほど興味はなかったのですが、現在の内定先は選考を受けていく中で志望度がどんどん上がっていった企業です。たくさんの社員を抱えているグループ企業を支えるため、なくてはならない業務を担っていることに、僕は強く魅力を感じました。社員の方の対応もとても丁寧で尊敬できる人たちばかり。知れば知るほど好きになれた企業から内定を頂くことができて、自分は本当に運がいいなと思っています。

 

就活では思い通りにならないこともたくさんあります。そもそも、何が正解なのか明確にはわからない世界です。就活を終えた今、自分自身で振り返ってみても、どんな選択が最も正しかったのかわかりません。でも、わからないからと言って考えることをやめてしまったら何も変えられないし、歩みを止めてしまったらどこにもたどり着けないんですよね。

 

終わった今だから落ち着いて言えることだとは思いますが、就活は人生における通過点でしかないですし、人間の価値やその後の一生が決まってしまうこともありません。春がダメでも夏がありますし、夏がダメでも卒業までチャンスはあります。たとえ在学中に内定が決まらなくても、卒業後だって数多くの選択肢が残されているんです。就活で最も大事な、決して捨ててはいけない意識はただ一つ「あきらめないこと」です。チャンスがやってくる機会を、自分でつぶすようなことがないように。トライし続ければ、必ず道は前に開けます。

 

低学年のときに注力していたことは?

サークルには4つ所属していました。心理学のサークル、献血を呼びかけるサークル、歯科検診を企画するサークル、ラジオ番組制作のサークルです。大学では「興味のあることはなんでもやってみよう!」と心に決めていました。初めて触れるもの、体験したことがない世界には、学ぶべきことがたくさんあると思います。スケジュール調整は大変でしたが「中途半端に辞めるのだけはダメだ」と思っていたので、すべての活動に責任を持ち、限られた時間の中で全力投球しました。あそこでどの活動にも手を抜かずにやりきれたことは、今の自分の中で自信につながっています。

 

就活スケジュール

大学3年8月
インターンシップに参加
就活準備に何か行動を始めようと考え始め、オフィス家具メーカーのインターンシップに参加。支店に配属され、営業同行するという内容で「営業の仕事はどのようなものなのか」という普段見えない部分を知ることができて、働くことに対してのイメージが具体的になった。
大学3年11月
企業の説明会に参加。初めての選考を経験
12月から就活が本格的になる前に少しでも選考に慣れたいと考え、選考の早い企業にいくつかエントリーし、筆記試験や面接などを経験。同時並行で、少しでも興味のある企業のホームページを頻繁にチェックして、説明会にもれなく参加。
大学3年12月
学内・学外の会社説明会に参加
大学内で行われる合同企業説明会にはできるだけ参加するように。興味のある企業はもちろん、自分の視野を広げるためにまったく検討していなかった業界の企業の説明会にも積極的に顔を出した。一方で学内だけで満足しないように、学外の合同企業説明会にも足を運んだ。情報を見逃さないため、毎日『リクナビ』などの就職情報サイトや個別の会社ホームページなどのチェックは怠らないように気をつけた。
大学3年1月
面接に参加
一部の企業の面接がスタート。インターネット関連のベンチャー企業の選考はスタートが早かった。特に対策もせずに臨んだが、通過率は悪くなかった。
大学3年2月
就活セミナーに参加
面接が思うように進まず焦りを感じていたこともあって、兄に勧められた就活セミナーを受講し始める。自分の悪い部分をはっきりと指摘され、それを改善していくことで自信が持てるように。他大学の学生と情報交換をし、お互いに努力している姿を見ることでモチベーションも上がった。
大学3年3月~4月上旬
面接全滅
エントリーしていた企業の面接にすべて落ちてしまう。とてもショックで「この先自分がどうなるのかわからない」という不安でいっぱいに。しかし、気を持ち直して「大学4年の3月までかかったとしても、内定をもらうまであきらめない」と決意。会社説明会への参加とエントリーシートの提出を続けた。
大学4年4月下旬
内々定獲得
これまでの失敗を反省し、面接までにホームページは隅々まで読みこみ、業界に関する書籍を読んで知識を吸収。自分でやりきったと思えるまで事前準備に時間をかけた。4月下旬に現在の内定先から内々定を頂き、就活を終える。

就活ファッション

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スーツは1着用意。就活で使う一時的なものだと割り切り、リーズナブルなものを選んだ。ネクタイは3本ほど用意して、その日の気分や意気ごみに合わせて使い分けていた。靴はこまめに磨いたり、面接前にはスーツのしわをチェックして直したりなど、清潔感が出るように気を配った。

 

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子


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