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広告会社内定 大阪大学 松本健佑(けんすけ)さん

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就活データ
志望業界
:広告、不動産 説明会参加:合計50社(うち合同企業説明会6回) 先輩訪問:14人(不動産10人、広告4人)エントリーシート提出:6社 面接:6社 内定:4社(教育1社、広告2社、不動産1社) 活動費用:約3万7000円(交通費2万円、スーツ7000円、書籍代1万円。東京での選考にかかる移動費用は企業側が負担してくれたので、交通費は関西圏内での移動の分だけ。スーツは1着購入したが、入学式用に買ったスーツや靴を活用。カバンも普段使いのものを利用した)

インターンシップや先輩社員訪問など、リアルな話をもとに企業研究を進めた

大学3年から就活準備を始める人が多いですが、僕は大学2年の12月から始めました。というのも、学部の友人はほとんど大学院に進学し、就活をする人が少ないので、早めに活動し情報収集しよう思ったんです。

 

大学2年で行ったことは、12月に開催された大学3年生対象の学内合同企業説明会への参加。どんな会社がありどんな仕事ができるか、社名を知っている企業を中心に話を聞きました。建築系の学部なのでデベロッパーなど不動産業界はもちろん、インフラ、メーカー、マスコミなどさまざまな業種をチェック。スーツを着た3年生の中で僕だけ普段着でしたが、人事の方は格好に関係なくフランクに話をしてくれました。この時点では具体的な志望業界を絞らず、社会を知る、業界を知るという程度にとどめました。

 

大学3年になり、本格的に就活準備を開始。まず、7月に研究室の先輩で大手デベロッパーに就職している方を教授に紹介してもらい訪問。建築系の学部なので、デベロッパーやインフラの建築関連、建設会社に進むんだろうなと漠然と思っていたので、詳しい業務を聞きたかったんです。

 

さらに、インターンシップにも参加しました。8月にインターンシップ応募のエントリーシートを提出。自己PRや大学時代に頑張ったこと、苦労したことやつらかった体験をどう乗り越えたかなどの設問に対し、400字でまとめるという内容が中心。採用選考にかかわるエントリーシートではないのですが、いずれ選考にかかわるエントリーシートを書くことになるので、この時点でも内容を熟考し、真剣に書きました。

 

インターンシップは興味のある業界や気になる会社があれば、深く知るのに役立つと思います。僕の場合、デベロッパー2社でインターンシップを経験。9月に開催された3日間のインターンシップは、10年後に会社がどうなっているかをグループワークで考えるというもの。11月にも6日間のインターンシップに参加しました。

 

さらに、先輩社員訪問も積極的に実施。7月にお会いした大学の先輩から、同じ会社の方や別のデベロッパーにお勤めの方を紹介してもらいました。お会いする時には、たくさん質問を用意。大学院に進学せず就職を選んだのはなぜか、なぜこの会社を選んだのか、実際に入ってみてどう思ったかなど。同じような境遇で就活を進めた先輩に話を聞くことで、今後、志望動機を考える時の材料にしようとも思っていました。

 

インターンシップや先輩社員訪問を経て、デベロッパーにとても魅力を感じました。また、会社を選ぶ軸も見えてきたんです。働いた分だけ給与という形で返ってくること、自分の考えやアイデアが形になること、そして業界トップカンパニーがいいということ。2位以下の会社の方とお話しすると、必ずといっていいほど「トップ企業の●●会社と違って、当社は…」という比較や批判のようなコメントが多いんです。そのような考えを持つのは嫌だし、やはりトップでより大きな仕事をしたいと痛感しました。

 

大学3年の12月になり、学内・学外で合同企業説明会が開催。その時にふと、いろいろな業界や会社を見られるのは就活の時だけ、自分の知らない業界を知ることで、社会を知ることができると気づいたんです。そして興味を持ち始めたデベロッパーや不動産も含め、金融やメーカー、商社、流通など幅広く業界をチェックしました。

 

会社説明を聞いてもっと知りたいと響くものがあれば人事の方と個別に会話。逆に心に響くものがなければ志望から外しました。会社説明会の短い時間では会社の断片的な情報しか伝えられないけれど、その限られた中でいかに学生にアピールし、魅力を感じてもらうかを採用側も考えているはず。その工夫ができる会社なのかどうか、えらそうですがチェックしました。さらに自分の心に響かなかった理由を考えることで、僕が魅力に思う会社の条件、志望から外す会社の条件も明確になりますから。

 

会社説明会で見えてきた希望ポイントは、インターンシップと先輩社員訪問で感じたことと同じで、給与などの勤務条件、業界ナンバー1、自分の仕事が目に見え形に残ること。違うと思うポイントは、海外は楽しむために行く場所で仕事では行きたくない、数字を判断したり管理するだけの仕事はしたくない、図面を作る仕事より企画からかかわる仕事がいいなどです。

 

さらに、デベロッパー以外にも商品企画など興味のある仕事や働き方があることもわかりました。会社や仕事を知らない段階で固執していたことを反省し、さらに企業研究を進めようと思いました。

 

広告業界で建築の知識を生かせる部分があると知り急激にひかれた

大学3年の1月から自動車メーカーやインフラなどいろいろな業界のセミナーに参加。就活支援団体のセミナーで、教育関連企業のCMによるPR戦略についての話を聞いたんです。そのCMを担当したのが現在の内定先。すぐにプレエントリーし個別セミナーに参加しました。セミナーが終わった後、人事の方に「建築専攻ですが広告会社で生かせることはありますか?」と質問。ファッションショーやスポーツイベントなどを担当する部署には空間デザインや席配置、避難経路への誘導など建築の知識が生かせる仕事があり、建築関連の学部出身者がいると教えていただいたんです。

 

そして、現在の内定先の二回目のセミナーに参加。5年目、10年目の先輩社員が登場し、学生6名で囲んで話を聞くというもの。ますます魅力を感じました。さらに、高校の野球部の先輩で内定先に就職していた方にも会いました。内定先の会社案内パンフレットを見ると、社歴の長い社員が載っていたので、入社1年目の先輩がどんな仕事を任せてもらえるのか聞きたかったんです。先輩からは「いきなり大きな仕事を任せてもらうことはなく事務業務や雑務も多いけれど、かかわっている仕事のスケールや規模が大きく、やりがいを感じる」と。さらに、その先輩から1年目の別の社員を紹介してもらいました。その方からは「広告宣伝は会社の大事な戦略なので、1年目でも会社のトップに会える」とお聞きしました。

 

現在の内定先についてもっと知りたい、特に建築系出身者が多い部署の方にお会いしたいと思い、人事に紹介してもらえないかとメールで依頼。人事から「社員を紹介することはしていない。この問題を解決し実現させるのも松本くんの課題ですよ」と返答。すでにお会いした先輩になんとか紹介していただけないかとお願いし、希望の部署の3年目の先輩にお会いすることができました。

 

担当する業務や仕事でのやりがいをお聞きしたのですが、話題性のあるイベントにかかわることができ自分のやったことが目に見えるという仕事に、ただただすごいと感動。建築の知識も生かせるしこの会社を本命にしようと決め、この時点から僕の就活は大きく方向転換しました。

 

3月は部活動の大きな大会があるので、エントリーシートは2月下旬から早めの提出を心がけました。現在の内定先、デベロッパー、住宅広告会社、自動車メーカーなど自分の希望する条件に合う6社に絞って提出。下旬に、1月にセミナーに参加した教育関連会社から呼ばれ、役員面談。その時点で内々定をもらいましたが、本命企業の選考がまだ始まっていなかったので辞退しました。

 

大学4年の4月になり、面接がスタート。広告会社、デベロッパーで内々定をもらいましたが、現在の内定先の選考が続いていたので就活を続行。現在の内定先は4回面接がありました。1・2次面接は志望動機や学生時代に取り組んだこと、入社してやってみたいことなどを中心に質疑応答。2次面接は東京であったのですが、実はネクタイを忘れてしまい、東京駅で1時間歩き回って探したんです。面接の最後に何かありますか?と聞かれた時、ネクタイの話を披露し「ピンチの時でも切り抜ける力があります」とアピール。

 

さらに2次面接でストライプ柄のスーツもほめていただいたのですが、部活の公式戦で着ていくスーツであること、ここぞという時に必ず着用するスーツであることを伝え、面接にかける気合いや真剣さをアピール。その思いが通じ、最終の役員面接を経て、4月下旬に内々定を頂きました。

 

エントリーシート提出は6社と、ほかの学生に比べればかなり社数は少ないと思います。行きたいと思える会社だけ受け、もし全部落ちたら、しばらく海外でも行ってみようかなとか、1年就活を遅らせてもいいかなと思っていたのでプレッシャーはありませんでした。就活全体を通し、フットワーク軽く行動できたのが良かったと思います。詳しく知りたい会社は社員にお会いしに行ったり、説明会に登場される社員と個別に会話したり。社会人と話すことで、自分の思いをどう話せばいいかわかりました。

 

低学年のときに注力していたことは?

小学校から始めた野球。大学でも準硬式野球部に入部しました。練習は週4日。対戦相手のチームには、甲子園に出場した選手がいることもあるのですが、そんな選手相手に試合して勝つこともあるので面白くてたまりません。野球のオフシーズンには、東南アジア中心にバックパックの旅をしました。サーフィンしたいからバリ島に行ったり、ラオスでサイクリングしたり。十数カ国は巡りました。高校生までクラブ部活動中心で、同じような環境、コミュニティで過ごしてきたので、新しい環境に飛び込んでみたかったんです。

就活スケジュール

大学2年12月
学内の合同説明会に参加
まだ就活を始める時期ではなかったけれど、どんな会社があるのかを知りたいと思い、1学年上の学生を対象にした説明会に参加。不動産やインフラ、自動車メーカー、新聞社など社名を知っている企業中心に回った。
大学3年7月
先輩社員を訪問
不動産デベロッパーに就職している研究室の先輩を教授に紹介してもらい、東京まで訪ねる。大学院ではなく就職を選んだ理由をじっくり聞いた。
大学3年8月
インターンシップのエントリーシート提出
インターンシップを経験することで、興味のある業界や気になる会社への理解が深まると思いインターンシップを希望。選考のためのエントリーシートを提出。
大学3年9月
インターンシップと先輩社員訪問
中旬にデベロッパーで3日間のインターンシップ。「10年後、この会社はどうなっているか」をテーマにグループワーク。さらに7月にお会いしたデベロッパーの先輩社員から別の方を紹介してもらい、先輩訪問を行う。
大学3年10月
先輩社員を訪問
不動産関係を中心に、引き続き先輩社員を行い詳しい話を聞く。担当する業務はもちろん、「大学院に進学せず、なぜ就職を選んだのか」「なぜ今の会社を選んだのか」などを質問した。
大学3年11月
6日間のインターンシップを経てデベロッパーへの志望が強まる
エントリーシート、面接、グループワークでの選考を経て、デベロッパーのインターンシップに合格。最初の2日間は開発案件や現場見学、そのあと3日間は社員について会議に参加したり開発プロジェクトの現場へ同行。最終日は、インターンシップで学んだことを発表する。この時点で、デベロッパーへの志望が高まる。
大学3年12月
合同企業説明会に参加
いろいろな業界の会社を見ることができるのは今だけだと思い、合同企業説明会でデベロッパー以外をチェック。金融、メーカー、商社、流通、インフラ、官公庁など幅広く回った。さまざまな企業の話を聞くことで、興味を持った会社に共通するキーワードとともに興味を持てない仕事も見えてきた。
大学3年1月
個別の企業セミナーに参加
不動産も含めメーカー、インフラなど興味を持った会社の個別企業セミナーに出席。中旬に参加した就活支援団体のセミナーで、広告会社の仕事にとても興味を持ち、現在の内定先にプレエントリー。個別セミナーに参加し、先輩社員と交流する。さらに、現在の内定先に就職している高校の先輩やその先輩の同僚から詳しい仕事内容を聞く。
大学3年2月
興味のある部署の先輩社員を訪問。エントリーシートの提出もスタート
広告会社の中で希望する部署の先輩に話を聞きたいと考え、これまでに会った社員に紹介を依頼。3年目の社員を紹介してもらう。下旬から、エントリーシートの提出が始まる。
大学3年3月
教育関連会社から内々定をもらうが辞退
本当に行きたいと思える企業を絞り、エントリーシートを提出。さらにテストセンターも受ける。3月下旬に、就活支援団体のセミナーで話を聞いた教育関連会社から連絡があり、役員面談を受けた日に内々定をもらったが、本命企業の選考がまだ始まっていなかったので辞退する。
大学4年4月
2社から内々定。下旬に現在の内定先から内々定
広告会社、さらにデベロッパーから内々定をもらったが、本命企業の選考が残っていたので就活を続行。本命企業だった現在の内定先は4回の面接を経て4月下旬に内々定。この時点で就活を終了する。

就活ファッション

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就活生は黒か紺のスーツという既成概念にとらわれるのは嫌だったので、大学の入学式用に購入し、部活の試合会場への行き来に着るネイビーのストライプ柄スーツを着用。洗い替えとして黒のベーシックなスーツを1着購入した。シャツは白のシンプルなものを2着。ネクタイはピンクのストライプ柄とピンクのドット柄。靴は、入学式用に買った赤茶色のレザーシューズを合わせた。

 

取材・文/森下裕美子 撮影/島並ヒロミ


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