志望業界:旅行会社、百貨店、化粧品メーカーなど 説明会参加:32社(うち合同企業説明会9回) 先輩訪問:3人(旅行会社1人、百貨店1人、化粧品メーカー1人) エントリーシート提出:20社 面接:7社 内定:3社(旅行会社2社、百貨店1社) 活動費用:約14万円(交通費10万円、外食費3万円、証明写真7000円、郵送費などの雑費3000円。できるだけ同じ日に面接や説明会の予定を入れることで、交通費を節約するようにした)
就活が解禁になる3月までに、しっかりと準備をした
大学3年生の夏。周りの就活生はインターンシップに参加し始めていましたが、私はまだやりたいことが明確になっていなかったため、企業と会うよりも自分で就活準備を進めていくことを選択しました。まず最初に手を付けたのは、SPIの勉強。サークルの先輩から、「SPIはしっかりと対策しておいた方がいいよ」とアドバイスを受けていたからです。問題で聞かれている内容は中学や高校で習ったこともあるのですが、忘れていることが多くて意外と苦戦しました。そのため、最初は解説が詳しくて、速く解くための方法も書かれている問題集を何度もこなし、ある程度できるようになってから、さらにもう一冊、別の問題集を購入。就活が始まる3月には、ある程度の問題を把握していました。
企業については、まだよくわからなかったので、一つ上の先輩が使っているリクナビなどの就職情報サイトを見て、どのような企業があり、具体的にどんな仕事をしているのかを調べるようにしていました。当時、なんとなく思っていたのは、「裏方の仕事ではなく、人と直接接する仕事がしたいな」ということ。アルバイトで飲食店の接客をしていたので、誰かと直接かかわることで感謝される喜びを知っていたというのが大きかったのだと思います。特に営業は、直接人とかかわれそうでいいなと感じていましたが、これだけでは絞り切れないので、まずは広く企業を見ようと思いました。
そして欠かせないのが自己分析です。インターネットで自己分析のやり方を調べて、例えば、自分の幼少期から今までの出来事と性格を書き出しました。また、リクナビの「SPI性格診断」など、アンケートのように選択肢を選ぶことで性格や適職の診断結果が出てくるWebサイトのサービスもいくつか試してみました。そして、特に今でもやって良かったと思うのは、他己分析です。ゼミの先輩や、いつも一緒にいる友達、合計10人くらいに、私の良いところと悪いところを教えてもらうことに。これをやったおかげで、「負けず嫌いで、きちんと自分の主張をする」「突っ走って、周りが見えなくなる」といった、自分ではまったく気づいていなかった自分の特徴を認識することができたのです。この他己分析は就活に役立ったのはもちろんですが、今後の人生のことを考えてみても、この時知ることができて良かったなと思います。協力してくれた人たちには、感謝の気持ちでいっぱいです。
後悔はしたくない!リスクを取って追い求めた第一志望の企業からの内々定
そして準備万端の状態で、3月の就活解禁日を迎えることに。仙台では、3月1日から5日まで連続で合同企業説明会が開催されていましたので、すべてに足を運びました。東京の合同企業説明会にも1回だけ参加。東京での就職も視野に入れていたので、念のため見ておきたかったのと、自分が気になっている企業が出ていたからです。その企業は仙台での合同企業説明会にも出展していて、そこでも話を聞いていたのですが、何度も説明会に参加することで顔を覚えてもらおうと思って。個別の企業説明会も、何度も参加することで自分の存在をアピールしていました。
当時気になっていたのは、旅行会社、化粧品メーカー、そして百貨店です。旅行会社が第1志望になったのは、もともと旅行が好きだったからというのもありますが、旅行の提案、添乗員、イベント企画など幅広い仕事をしていて、入社後にいろいろな可能性があると感じたから。率直に、すごく楽しそうだなと思いました。化粧品メーカーを志望したのは、女性を美しくして生活まで変えることができる素敵な仕事だと思ったから。そして百貨店にひかれたのは、格安のショッピングモールが増えている状況の中で、幅広い客層に良質な商品を提供できるという魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思ったからです。
どの企業でも、職種は法人営業を志望していました。就活が始まる前は、「法人営業は大変そう」という漠然としたイメージしか持っていなかったのですが、4月くらいに父親と就活について話をした時に、法人営業は多くの人を巻き込んで仕事ができること、影響力が大きいこと、新しいつながりができやすいことなどを教えてもらい、自分は個人向けの営業よりも法人営業の方がやりがいを感じられそうかなと思って。それまでは法人営業の魅力に気づいていなかったんですね。
選考で最も苦労したのはエントリーシートです。きれいな字で書くこと、簡潔にわかりやすくまとめること、そしてほかのエントリーシートに埋もれてしまわないよう目立たせることを意識。エントリーシートさえ通ってしまえば、その後の面接はスムーズに進んでいきました。
そして6月に第2志望の旅行会社から内々定が出ました。この企業よりももっと行きたい別の旅行会社がある。でもそこからはまだ内々定をもらっていない。そんな状況でしたが、返事はすぐにしなければならず、「今すぐ第2志望の企業の内々定を承諾する」もしくは、「まだ内々定を取れるかどうかわからない第1志望の企業の選考に懸ける」という選択を迫られました。
ここで「第1志望の企業から内々定をもらえるかどうかはわからないから、第2志望の内々定を承諾する」という選択をしたら、絶対に後悔するだろう。そう考えた私は、その第2志望の旅行会社の内々定を辞退し、第1志望の会社から内々定をもらえるよう、頑張れるだけ頑張ろうと決心しました。
結果、8月に無事、第1志望の旅行会社から内々定を頂くことができ、納得の結果で就活を終えることができました。この会社では海外に行けるチャンスがあるものの、今の英語力ではかないそうもないため、今度は海外で働くという自分の希望を実現するために、引き続き努力していきたいと思っています。
低学年のときに注力していたことは?
とくにかく全力で大学生活を楽しもう。そう考えていた私は、大学1年の時に100人くらいのメンバーがいる球技サークルに所属し、毎週バスケットボールとバレーボールをして、学内の球技大会にも出場していました。また、学祭ではお店を出して、仲間と一緒に盛り上げていました。ただし、遊びを全力でやる一方で、授業はまじめに参加。テスト前もしっかりと勉強して、メリハリのある生活を送れるよう心がけていました。家でゴロゴロしたり暇な時間ができてしまったりするのは好きではないので、とにかくいろんな活動をして思い出を作っていましたね。おかげで就活で「大学生活で頑張ったこと」「今までやってきたこと」などを聞かれた時に、話す内容がなくて困るということはありませんでした。
就活スケジュール
SPIの勉強開始。また、字をきれいに書く練習をする
SPIの問題集を2冊購入し、できるようになるまで何度も解いた。また、手書きのエントリーシートや履歴書の印象を良くするために、字をきれいに書くことを意識するようになった。
自己分析
幼少期からこれまでの出来事を書き出し、自分の性格を分析する。さらに、友人や先輩に「私の良いところ」と「悪いところ」を聞くことで、自分では気がつかなかった特徴を知ることができた。
合同企業説明会に参加
事前に当日見たい企業をチェックしておき、時間が余ったら興味のない業界の企業も見るようにしていた。東京で開催された合同企業説明会も、一度だけ参加。
個別の会社説明会、エントリーシートの提出
会社説明会に参加することで、人事以外の社員とも会うことができ、具体的な会社の特徴がわかるように。エントリーシートはわかりやすく、かつ目立つように工夫。この時期、父親と就活の話をしたことで、法人営業に興味を持つようになる。
第1志望の旅行会社の社員面談
社員と1対1で面談をする機会が3回あった。これによって「この会社はしっかりと自分のことを見てくれている」と感じるように。
第2志望の旅行会社と百貨店から内々定
百貨店は返事を待ってくれるとのことだったが、第2志望の旅行会社はすぐに返事をする必要があったため辞退。まだ選考が終わっていない、第1志望の旅行会社にかけることに。
第1志望の旅行会社から内々定
無事、第1志望の旅行会社から内々定をもらうことができ、納得の就活終了。
就活ファッション
ベーシックな黒のスーツを選び、夏の暑い日もジャケットを着用。白シャツは4枚用意し、特に面接の時は一番上までボタンを留めることができるシャツを選択。また、ストッキングは伝線したときのために予備を用意し、靴は必ず手入れをするなど、身だしなみには気をつけた。
取材・文/芳野真弥 撮影/佐藤 修